■松下の戦略に隠されたソフトウェア産業の問題
インターネットの世界では、特に権利について、先手を打っておくことが必要になる場合があります。例えばドメイン名です。早い者勝ちのため、将来を見据えて、必要となるであろう名前は登録しておかなくてはなりません。また、livedoorによるIDサービスの規約改定も、ユーザーが投稿したブログについて、livedoorによる著作権の確保かと、話題になりました。(INTERNET Watchによる関連記事)
そして権利を確保したいのは、技術やコンテンツを持つ、大手メーカーなどに限りません。ドメイン名や著作権ならば、中小の企業や個人でも押さえておきたいと考える場合が、多くなるはずです。
著作権を考えるなら、私が管理している様々なコンテンツも、常に権利侵害の対象となり得ます。ロゴやキャッチコピー、イラストや文章などがあるからです。侵害をする・される。どちらにしてもトラブルを避けるために、権利関係を整理する必要が出てきます。まず取り組むのは、商標登録が出来るものの確認、といったことでしょうか。
三段論法チックですが、以上の様に考えてしまいました。そして今回の判決は、メーカーの技術だけでなく、Webの世界にも関係する問題だと感じました。
自分も含めて、こう考える経営者・エンジニア・Web管理者などが実際に動き出したら…。CNET Japanの取材で明らかになった
「たしかに直接収益的なメリットはないかもしれない。しかし、我々は『知財立社』を目指しており、今回の件もその戦略の一環だ」
という松下の今回のビジネス戦略が、回り回って松下自身を狙い撃ちする可能性も、あるのではないでしょうか?
体力のある企業から、一個人まで。権利を確保し、収益につなげるための、ゴールが見えずに誰も参加したくないサバイバルマラソンのスタートが切られた?裁判の判決は、ファーストインプレッション以上に、重要な意味を持つのかもしれません。
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