麺匠ようすけの冷たい濃厚鳥白湯らーめん

メジャーなカップラーメンさまが氷を入れて、まさかの冷たいラーメンの食べ方を提案したのは驚きましたが、ラーメン激戦区の中野でも、徐々にそんなトレンドが広がっていると感じます。麺屋さいころの冷やニボは、冷やしラーメンというジャンルを自覚させた一杯でした。

そして、中野ラーメンストリートに登場した、麺匠ようすけも新しいメニューを用意していました。冷たい濃厚鳥白湯らーめんです。早速いただいてみました。

メニューに工夫を凝らす麺屋ようすけのことですから、どの様なものになっているか楽しみだったのですが、なるほどと膝を打ちました。ジュレとはいきませんが、スープがゼリー状に固まっています。店内で謳っている、スープ中のコラーゲンが冷えると固まるのか、何か特別な工夫をしているのかはわかりませんが、冷え冷えのぷるぷるです。

麺匠ようすけの冷たい濃厚鳥白湯らーめん

麺匠ようすけの冷たい濃厚鳥白湯らーめん

これらが麺に絡みつき、スープの味をしっかりと伝えてくれます。その味は少々意外でした。

冷たいと味を濃く感じるものですが、温かい普通の濃厚鳥白湯らーめんと比べて、口当たりも食後も淡い鳥だしと脂分を感じます。温かい方が、口当たりはソフトなものの鳥のうまみと塩味をガッと感じるのに対して、冷たい方は共にマイルドで鳥の独特の甘さが立っており、こちらの方が好みです。

麺はやや細めですが、スープとのバランスは良いと感じました。

変化をつけているのは、具でした。柔らかく、麺の食感とけんかをしない穂先メンマ、色鮮やかなワケギ、こちらも麺とのバランスを考えてカットされた鳥チャーシュー、糸のような唐辛子と、大根おろし。どれも少しずつ主張をしていて、優しい味のスープに変化を持たせながら引き立てています。

写真には写っていないのですが、他のメニューですと「いかがですか」と尋ねられるレモンのカットは標準でついてくるようです。これが不思議で、レモンを搾りかけても、他のメニューほどレモンの風味も酸味も立ってきません。ちょっぴり感じるかな、という程度で、良い意味で一体となっているのです。壁の解説に書かれている通り、出来れば取りたいレモンですから、苦手な方でもプラスしてみるのが良いでしょう。スープも完食してしまいました。

どうしても比べてしまうのですが、さいころの冷やニボの、冷たい中に鋭いスープのうま味と麺の存在感。一方で、麺匠ようすけの、冷たいながらもじんわりとするスープのうま味と麺の優しさ。両極端ながら、どちらもおいしい。つけ麺、味噌ラーメンに続き、冷やしラーメンにおいても南北の双璧が登場しました。

★お店情報:東京都中野区中野5-57-4 永嶋ビル1F、03-3387-7799、11:30-22:00、定休・水

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